針摺交差点の安全対策を要望
2020年には人身事故全国ワースト1
福岡県筑紫野市の「針摺交差点」は、2020年の人身事故件数全国ワースト1位(日本損害保険協会)の、危険な交差点として知られています。針摺交差点は複雑な形状の五差路で、中央分離帯には高架道路の橋脚が多く視界を遮るため、運転者にとって非常に見通しが悪い状況です。2022年2月16日の衆議院予算委員会第八分科会で、安全対策強化を要望しました。
7年間で88件の人身事故「魔の交差点」
この交差点では、2014年に安全対策工事が行われましたが、残念ながらその後も事故は続き、2020年には22件の人身事故が発生しました。過去7年間で88件もの人身事故が起きており、地元では「魔の交差点」と呼ばれています。地元警察署も交通指導や立番、横断歩道の塗り直し、右折車線の導流表示など、さまざまな安全対策を進めていますが、根本的な解決には至っていません。
複雑な構造 右折車の事故多発
針摺交差点では複雑な構造によって右折車両の事故が多発しています。2019年から2021年までの3年間に発生した35件の人身事故のうち、23件が右折時に発生しており、この交差点の構造的問題が大きく影響しています。現地の取り組みとしては、福岡県警が進行方向を明確にするための標識や誘導車線の設置を行っていますが、事故がゼロにはなっていません。
この現状に対し、福岡県と連携してさらなる分析が必要です。交通事故の発生要因をより深く理解し、根本的な解決策を導き出すためには、現行の対策以上の措置が求められています。
視覚的な障害を減らすインフラ整備を
針摺交差点での事故を減らし、最終的にはゼロにするためには、さらなる技術的助言や財政的支援が不可欠です。国、福岡県、福岡県警察が協力して情報を共有し、事故の詳細な分析を進めることも重要です。交差点の形状の改善や、視覚的な障害を減らすためのインフラ整備が一つの解決策として考えられます。また、右折時の事故を減少させるために、右折専用の信号システムや立体交差化の導入も検討すべきです。
全国にも同様の危険な交差点が存在することが考えられるため、危険交差点のリストアップと対策を進めることも必要です。交通事故のリスクを全国規模で最小限に抑えるため、政府による定期的な調査やデータ収集を行い、各地域で最適な対策を講じるべきです。
政府は、針摺交差点の安全対策について、国、福岡県、福岡県警が情報共有の場を設けて事故要因の分析を進めるとともに、効果的な対策を検討する方針を示しました。また、国土交通省として技術的助言や財政的支援を行い、福岡県などと連携して交通事故防止に努めるとの立場も明確にしました。