AV出演、解除権拡大の要望実現
被害防止法に権利保護の条項追加
アダルトビデオ(AV)出演被害問題は、特に若年層を中心に深刻な社会問題となっています。2022年4月に成年年齢が18歳に引き下げられたことにより、18歳および19歳の若者が未成年取消権を行使できなくなり、このことがアダルトビデオ業界での被害増加を引き起こす懸念が指摘されてきました。こうした状況を踏まえ、立憲民主党は超党派での議員立法を通じ、AV出演被害防止・救済に向けた法整備を進めました。要望の一部が実現しましたが、実効性の強化や被害者保護の拡大を、2022年5月25日の衆議院内閣委員会で訴えました。
出演契約の任意解除権、盛り込まれる
立憲民主党は、AV出演被害問題に対する早急な対応の必要性を一貫して訴えてきました。被害者支援団体や関係者からの声を反映した、被害者保護を最優先に考えた法整備が求められています。2022年に成立したAV出演被害防止・救済法には、立憲民主党が主張した出演者が任意で出演契約を解除できる権利(任意解除権)の行使期間を拡大など、被害者救済を強化する内容が盛り込まれました。
性行為映像制作物の公表後に解除権を行使できる期間が当初の1年から2年に延長され、また、その起算点を撮影終了時から公表時に修正するなどの点が反映されました。さらに、威迫行為による出演者の困惑を防ぐ条項が設けられ、被害者の権利がより強力に保護されることとなりました。
実効性の強化を
AV出演被害防止法のさらなる実効性を高めるため、被害者が契約解除権を容易に行使できるような支援体制の充実が必要です。法律や解除手続きについてのQ&Aを公開し、簡単に利用できる書面のひな形を提供するなどの取り組みを進めるべきです。また、被害者支援団体や自治体と連携して、出演者が相談しやすい環境を整えることが重要です。
さらに、AV制作や配信の停止手続きを迅速かつ確実に行うため、厳格なルールの運用が求められます。解除権が行使された場合、制作公表者は速やかに映像の配信や販売を停止する義務を負うことが明確化されているため、その運用を確実に実施することが必要です。
加えて、性行為映像の公表期間に制限を設けること(いわゆる「忘れられる権利」)も、今後の重要な検討事項です。AVがデジタルタトゥーとしてインターネット上で永続的に拡散されることを防ぐため、制作物の公表期間を法律で定め、一定期間後には自動的に削除される仕組みを導入することが求められます。
AV業界全体の性行為映像制作物の在り方についても、別途検討を続け、性的搾取の根絶に向けた包括的な対策を講じる必要があります。立憲民主党は今後も支援団体と協力し、人権尊重と被害者保護を中心に据えた政策提言を続けていきます。
被害者保護の措置、一定進む
政府は、AV出演被害防止・救済法案を通じて、出演者の任意解除権や公表期間の制限など、被害者保護を強化する措置を設けました。解除権行使の期間延長や威迫行為の禁止、解除に際して出演者に証明負担を課さないことなどが盛り込まれ、立憲民主党の要望を受け入れました。今後も、性行為映像の公表期間制限や性行為映像自体の禁止について訴えていきます。