公立教職員にも労基法適用を

給特法を撤廃し、過重労働から守れ

公立学校の教職員は、「教育職員給与特別措置法(給特法)」に基づき、時間外・休日勤務手当(超勤手当)の代わりに教職調整額(給料の4%)が一律で支給されています。そして、「超勤4項目」とされる、校外実習・修学旅行などの行事・職員会議・非常災害関連の業務以外は自主的・自発的な勤務とされ、勤務時間として扱われにくくなっています。こうしたことから教職員の実労働時間は過小評価され、過重労働が常態化しています。

給特法の対象は公立学校の教職員のみで、私立学校の教職員には給特法ではなく労働基準法(労基法)が適用されています。国立の教職員も公立大学が法人化されたことに伴い労基法が適用されるようになりました。給特法を撤廃し、公立学校の教職員にも労基法を適用すべきであると、2025年4月16日の厚生労働委員会で訴えました。

校長に労働時間の適切な管理責任を

長時間労働は教職員の心身をむしばんでいますが、給特法が分厚い壁となり校長の安全配慮義務がなかなか認められてきませんでした。公立学校に教員の時間外労働の規制を守ってもらうためには、健康確保措置、安全配慮義務が順守されることが必要です。そのためには、管理職、設置者に罰則等を科す仕組みが必要であると考えます。

校長にその責任があるかを政府に尋ねたところ、「校長等の使用者には、労働時間を適正に把握する責務がある」との立場を示しました。校長による労務管理をもっと徹底すべきではとの質問には「超勤4項目以外の時間外勤務についても外形的に把握できる時間を在校等時間として管理の対象とすることを明確にしている。今国会の給特法の改正案でも教育委員会に対し、業務量管理の目標等について定める計画の策定を義務づける」との回答がありました。

過労死などの公務災害認定

教職員の過労死などの公務災害は相変わらず高い水準にあります。公務災害認定において超勤4項目以外の勤務は考慮されるのかを政府に尋ねたところ、「超勤4項目以外であっても、個別具体の状況を精査し、必要な業務に従事していたと認められる時間は公務として評価している」との回答がありました。

公立教職員にも労基法適用を

給特法を撤廃し、公立教職員にも労基法を適用すべきであるとの訴えに対し政府は、「それぞれの実情に応じて法政策が取られている。文科省が教員の働き方改革を進める中で、学校の指導、運営体制の充実が推進される」と回答しました。

過労死ゼロを本気で目指すのであれば、すべての教育現場で労働者としての権利が確保されるべきです。教職員の労働を労基法の枠組みの中で適切に評価・管理する体制への転換を強く求めていきたいと考えます。