頻発する豪雨災害 流域治水推進を
民間によるしゅんせつ工事が効果的
近年、毎年のように発生する豪雨災害により、福岡県南部の筑後川流域では深刻な水害が続いています。2023年の梅雨前線による豪雨では、筑後川やその支流において内水氾濫が発生し、住宅やビニールハウスが多数浸水するなど、甚大な被害が出ました。久留米市では、住民や市職員、学生ボランティアの方々が道路脇の排水路にたまった泥やごみをスコップでかき出すなど、地域の協力で困難を乗り越えました。
内水氾濫のリスクを低減するためには、川底にたまった土砂を取り除く「しゅんせつ」が効果的です。しゅんせつすることで河川の流下能力が向上し、洪水時の水位を下げることができ、氾濫の防止や軽減に大きな効果が期待できます。流域全体での治水対策、いわゆる「流域治水」の必要性について、2024年2月27日の衆議院予算委員会で訴えました。
民間による砂利採取 一石二鳥
政府は、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の中で、しゅんせつを推進していく方針を示しています。
しかし現場の声を聞くと、必要性は認識されているものの、しゅんせつがなかなか進んでいないという指摘もあります。その背景には、予算の制約があると考えられます。筑後川の国直轄区間における河川維持管理修繕費は、2019年度から2023年度の5年間で約180億円に上りますが、この中には堤防や水門の維持管理費、人件費なども含まれており、予算が十分とは言えません。
限られた予算の中でも効果的にしゅんせつを進める方法として、河川法第25条に基づき、民間事業者による砂利の採取を活用することが有効だと考えます。これは、民間事業者が建設資材として使える砂を確保できるメリットがあり、同時に公共の事業費の削減にもつながります。政府にこの点について尋ねたところ、「河川管理に支障のない範囲であれば、民間による砂利採取を認めていく」との方針を示しました。
九州地方における国管理河川では、20の水系のうち12水系で年間約46万立方メートルの砂利採取が認められています。2022年度の実績では、遠賀川水系、球磨川水系、五ケ瀬川水系、川内川水系において、民間事業者によって合計約8万立方メートルの砂利が採取されました。
筑後川においても、2021年に策定された第17次砂利等の採取に関する規制計画により、5年間で約11万立方メートル(年間平均2~3万立方メートル)の採取が可能となっています。政府も、生態系に配慮しながら適切に対応していく考えを示しており、過去には採取実績があったことから、今後の民間事業者の活用も十分に見込める状況です。
自治体とも方針の共有を
なお、福岡県議会では、同様の提案に対して消極的な答弁がありましたが、国からは「可能である」との明確な見解が示されました。県にもこの方針を共有し、住民の皆様の安心につながる治水対策の一環として、民間の力を積極的に活用したしゅんせつを早期に進めるよう政府には要望しました。